「仕事ができる人」には共通する思考法があります。
1万人以上のビジネスパーソンと対恩仕事をしてきた著者が、「ができる人」が日ごろから何を考え、行動しているのか明かします。

仕事ができる人が見えないところで必ずしていること
出版社: 日本実業出版社
発売日:2023/10/26
単行本:240ページ
著者:安達 裕哉
1975年東京都生まれ。筑波大学環境科学研究科修了。
Deloitteで12年間経営コンサルティングに従事し、社内ベンチャーの立ち上げにも参画。東京支社長、大阪支社長を歴任。
1000社以上にIT・人事のアドバイザリーサービスを提供し、1万人以上のビジネスパーソンに会う。その後独立し、オウンド
メディア支援の「ティネクト株式会社」を設立。コンサルティング、webメディアの運営支援、記事執筆などを行なう。
この本を読むきっかけ
前著「頭のいい人が話す前に考えていること(2023/4/19)」を読み、著者の安達裕哉さんの本がまた発売されたので読みました。
前著に比べると体験談や具体的なことが書かれていましたが、前著同様に簡単できる成功哲学のようなことはかかれておらず、地味だけど現実的な本質が書かれています。
キラキラした耳障りのいい本よりも、私は安達裕哉さんのような地に足の着いた考え方の方がやはり性に合っているなぁと思いました。
本書の中で私が特に心に残ったこと、大切だと思ったことだけピックアップしました。
ご紹介した以外にも豊富な事例が載っていますので、気になる方は本書をご購読下さい。
第1章 「実行力」は人生を変えるための最強の武器
「やってみたい」は迷信、「やってみた」は科学
やってみれば、データが取れる。それをもとに、もっとうまいやり方を考えられる。
やったことのない人は、単なる思い込みや推測でしか動けない。
要は、実験するまで何が起きているのかを正確に理解するのは難しいということ。
必要なのは、実験と、データであって、思い込みや、当て推量ではない。
まずはやってみて、データをきちんと検証して、再現する。
「テスト勉強」が仕事に与える悪い影響
学校の勉強は一般的に「インプット」を先にすることが多い。
「教科書をしっかりやって、そのあとに問題集をやる」というスタイル。
仕事ができる人たちは「アウトプットが先」が多い。
- まずやってみて、うまくいかなかったときのみ、本などを参考にする
- とりあえず受験してみて、問題内容や試験の雰囲気を知る。あとは模試を受けて覚えにくいところだけ勉強する。
スキルアップのスピードを重要視するなら「まずアウトプットを中心に据えること」を意識する。
「無限の可能性」は信じてはいけない
ほんとうにやりたいことを達成しようとすれば、人生の多くを目標の達成のために投じるということになる。
「目標達成」のために、いろいろな可能性を消し去らないといけない。
ゆえに「目標を立てる」には必ず勇気が必要。
決めない方が楽だが、「決められない人生」を送るほうが、ほんとうは決めるよりもっと怖い。
「人生の時間は有限」だから勇気をもって目標を決める
第2章 「決断力」はフレームを知ってこそ身につく
私たちが働く6つの意義
- お金をもたらす
- 明確な目標をもたらす
- 出会いをもたらす
- 学びをもたらす
- 信用をもたらす
- 自信をもたらす
たとえ報われなくても、努力が大切な理由
「努力」というのは「報酬を得るための苦行」と考えている人が多い。
「努力」と「報酬」がセットだとすれば、報酬に興味のない人を動かすことはできない。
いまの時代、「努力」は「報酬」を約束してはくれない。
したがって、「報酬」を努力の理由にすることはできない。
というより、ほんとうは「努力する理由は報酬を受け取れるから」ではないのだ。
努力する人は「努力しないと耐えられないから、そうしている」のだ。
人間が「無為」「ヒマ」に耐えられないので、「努力をしているほうが楽」である。
何かに没頭することが、精神の安定にとって重要であることは間違いない。
行動することで、余計なことを考えなくても済むからだ。
報われるためではなく、人生は不安なものでから、努力する。
第3章 「コミュニケーション力」はちょっとした工夫で大きな差がつく
ニーズが満たせないときこそ、コミュニケーション能力が発揮される
他社の商品であっても、お客さんに「一番いいサービス」をお伝えする。
お客さんは「一番いいサービス」が知りたいだけだから、それを教えてあげれるのが本当の提案力。
結果的に、「あの人が選んだのなら間違いない」と思ってもらえるようになったら、売り込む必要もない。
第4章 「考え抜く力」物事の本質を教えてくれる
「頭のいい凡人」になってしまう5つの原因
- 1.「勇気」が凡庸なこと
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大きなものを得ようと思えば、どこかでチャレンジする必要がある。
しかし、リスクの高い試みに対するチャレンジは、万人に対して敷居の高いものであり、頭がいいからといってとくにチャレンジ精神に富んでいるわけではない。 - 2.助けを求めるのが下手なこと
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仕事は大きくなればなるほど、1人で完結させることは難しい。
頭のいい人は、たいての問題を1人でこなせるため、助けを求めることが下手である。 - 3.まわりに恐れられてしまうこと
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有能な人の、あまり優秀でない人へ発言や態度を皆が見ており、まわりに恐怖感を与えしまい人望が得られない。
- 4.ひとにあまり期待しないこと
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人を動かすのは「ひとあたり」ではなく「その人に対する期待」である。
頭のいい人は、自分の能力が高いがゆえに「他の人に対する期待」を持ちにくい。 - 5.頭のよさを重視しすぎること
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本質的には、「頭のよさ」は成功するための必須条件ではないが、頭のいい人は「頭のよさ」という尺度を過大評価する傾向にある。
成功の度合いは頭のよさに依存するかもしれないが、成功する、しないを分かつのは頭の良さではなく「行動力」である。
コンサル会社で部下に課した8つの訓練
- 時間管理
時間管理ができず、タスク漏れがあったり納期の遅延を頻繁に起こしたりする人物は、頭がよくても「信用できない」というレッテルを貼られてしまうため、上司が真っ先に教えるスキル - 文章力の強化
メールや報告書、提案書、各種資料など文章力が求められるシーンは非常に多い。
顧客とやり取りする文章がわかりにくいと、顧客からのクレームに直結する場合もあるので、文章に気をつかうのは当然。 - ディスカッション
「相手のプライドを傷つけずにうまく本音を引き出し、自分の言っていることを相手に理解してもらったうえで、ディスカッションの前に出ていた案よりもいい案で合意する」という結果をえるための活動 - 会議の仕切り
ファシリテーション - 人前で話すこと
訓練法は、セミナーの内容を覚え、リハーサルを繰り返すだけ。 - 読解力を強化する
知識をつけ、読解力を強化する訓練は「月に10冊本を読む」こと - 自分で考えるクセをつける
- 飲みの席でのマナー
失敗しない人を誰も信用しない
目標達成が本人の努力の証であることは、疑う余地はない。
しかし、毎回のように目標達成をしている人間(組織)がいたら、働き方を疑ってみるべきだ。
なぜなら「失敗できない」という状況ほど、人間を保守的たらしめることはないからだ。
大企業のなかからイノベーションが起きにくい理由は、まさに「失敗を避ける」からであり、会社員が受ける人事評価にとって失敗が致命的であるからなのだ。
すなわち、無難に目標達成をしていたほうが評価がいいからイノベーションが起きにくいと言い換えることもできる。
チャレンジの必要な目標に対して、成果を出せるかどうかは、確率の問題であり、長期的なチャレンジを続けたものだけが成果を出すことができる。
それ以外は「偽の成果」と言ってもいい。
「楽」に努力せよ
つらい努力をするか、楽に努力をするか
つらい努力は長続きしない、単に「苦痛に耐えている」であって、実は努力ではない。
楽に努力をすること、努力を継続するための工夫も含めて「努力」と呼ぶ。
第5章 「働きかけ力」は人生を豊かにする協力な味方
この章ではリーダーシップについて書かれています。
「成果を出した」と実感したときこそ運命の分かれ道
成果を出している社員は、本質的には「いまの会社の事業、商品」がその人の能力とマッチしているというだけの話だ。
注意しなければならないのは、それは絶対的なものではない、という点にある。
成果を出している人は「いま、私は運がいいだけだ」と考えなくてはならない。
「急かす」と「スピードアップする」は違う
急かすことは部下の邪魔をするだけでなんの仕事もしていないと同じである。
上司がやらなくてはいけない仕事は、本来であれば「助力」と「要求基準の設定」であるにもかかわらずだ。
以下の2つの発言をするだけで、部下の仕事はかなりスピードアップする。
1.「上司たる自分が手伝えること」を聞く
2.「物事の優先度」と「到達点」を伝える
圧力を掛けるだけ、という愚を犯さず、上司は自分がやるべきことをやろう。
感想
「努力する理由は報酬を受け取れるからではなく、人生は不安なものであるから努力する」
という箇所に目からウロコでした。
報酬を受け取るために努力をしている、と(そう刷り込まれてきたから)思ってしまいますが、報酬は約束されておらず、自身の不安解消のために努力している、と一刀両断しているのは清々しい限りです。
そのような視点で考えると、見返りを得るために努力をしているのは「あさましい」のかもしれません。
「好きで努力している」と割り切ってやった方が人生が楽しめる、と思うきっかけになりました。


